“ゾンビと楽しく過ごそう!!” を標語に日々ゾンビとの接し方を摸索しているブログです。「ゾンビ保護区」を目指し出会ったゾンビ達の観察記録や創作ZOMBIEまんが&すけっち他、好きなホラー映画やお気に入り断絶映画の事等気まぐれに更新しています。
なんとなくつぶやいています。
[PR]18禁漫画紹介。
☆「小林少年(丸)」名義電子書籍配信中
[PR]18禁電子書籍紹介。
☆「おかさき潤」名義の18禁電子書籍
「ゾンビと暮らす。(仮)」
☆自作ゾンビ物語
[portrait of the dead]
めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。興味のある方は寄って
みて下さい。とは言え、なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さいね〜。
ひとまず秘かに裏道へと進みます。
めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。興味のある方は寄って
みて下さい。とは言え、なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さいね〜。
ひとまず秘かに裏道へと進みます。
ブログ内検索。
ジョージ・A・ロメロ監督作。
☆ゾンビ新時代到来の息吹を最後に…
新着ゾンビ小説紹介。
☆「ゾンビ百人一首」
作者の青蓮さんのご厚意で拝読中です。
作者の青蓮さんのご厚意で拝読中です。
百人一首から紡ぎ出される
ゾンビ物語の数々。
一節が非常に短くちょっとした合間に
読めるので、育児の傍らにも最適(笑)
ゾンビ物語の数々。
一節が非常に短くちょっとした合間に
読めるので、育児の傍らにも最適(笑)
簡易ギャラリー的ブログ紹介。
☆奇怪漫画製作部 のざらし倉庫
ゾンビ映像化案内。
☆「地獄の血みどろマッスルビルダー」
和製インディーズゾンビムービーの傑作発売から2年…ついに「地獄の血みどろマッスルビルダー完全版」となってWHDジャパン・フォワードレーベルから正規版DVDが発売中です!!
おめでとうございます!!!!!
↓↓↓↓↓
↑こちらがパッケージ画像です
DVD-R限定版情報
↓DVD-R発売情報専用ページ
日本に於けるゾンビ映画に新風を
吹き込む気鋭doragodonさんが挑む
和とゾンビの融合!!!!
当ブログの感想はコチラに。
【予告編1】【予告編2】
doragodonさんのブログはコチラから。
おめでとうございます!!!!!
↓↓↓↓↓
↑こちらがパッケージ画像です
DVD-R限定版情報
↓DVD-R発売情報専用ページ
日本に於けるゾンビ映画に新風を
吹き込む気鋭doragodonさんが挑む
和とゾンビの融合!!!!
当ブログの感想はコチラに。
【予告編1】【予告編2】
doragodonさんのブログはコチラから。
自作ゾンビ漫画紹介。
☆「月刊 退廃トラウム」好評配信中!!!
最新コメント。
☆コメントは承認後公開となります。
[07/19 snowman]
[01/25 snowman]
[01/21 snowman]
[10/25 snowman]
「プラナリア・プログラム」
☆続篇思案中にて。
「すろ〜ぺ〜す・ぞんび君」
☆めざせ、ゾンビ漫画家!!
[PR]南瓜金助作画参加媒体。
☆漫画やイラスト等を描いています。
参加同人誌紹介。
☆駕籠真太郎先生企画監修
うんこ100選
〜世界がもし100個のうんこだったら2〜
1頁うんこ漫画「美女内臓カレー」を
掲載して頂きました♪
久しぶりのオリジナル漫画です(笑)
通販のお申し込みはコチラでも
受け付けています。
興味のある方は是非お手にどうぞ!!
〜世界がもし100個のうんこだったら2〜
1頁うんこ漫画「美女内臓カレー」を
掲載して頂きました♪
久しぶりのオリジナル漫画です(笑)
通販のお申し込みはコチラでも
受け付けています。
興味のある方は是非お手にどうぞ!!
プロフィール。
HN:
死霊の南瓜金助
性別:
男性
職業:
自称ゾンビ画家
自己紹介:
→私的暫定ゾンビランキング(〜2014)ホラ〜映画は好きでゾンビにも興味はあったのですがリメイク「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)を見てからというものモノスゴク好きになってしまいました。好きと言うだけでマニアックという程の知識はありませんけれど。そんな訳でゾンビ熱発症からは日が浅いのですが、以来、ゾンビ漫画家になるのが夢です。「南瓜金助」と言うペンネームでちょっとした漫画を描かせて頂いたりもしていました。
ゾンビと歩む。
amazon。
カテゴリー。
ゾンビブログ紹介。
☆相互リンクさせて頂きました。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
[portrait of the dead]
テレビのニュースで流された第一報は、
僕の住む町の総合病院の霊安室に運び込まれた、
死んだと思われていた男性が突然動きだし、
歩き回って病院で働いているスタッフに襲いかかり
重軽傷者が出ているという報道だった。
春休みも終わり、新学年の始業式だった。
僕が通っている高等学校は家から歩いて10分くらいの距離。
3年間クラス替えがなく、2年生になった今年も、
1年の時と変わらず同じクラスのメンバーで代わり映えが無かった。
ホームルームで担任からの連絡事項が伝えられ、すぐに下校となる。
学校に残って話し込む生徒達もいれば、すぐに帰宅する生徒もいる。
大して変わりない極ありふれた日常、何事も無く過ぎていく時間。
僕は返却日が近づいた借りているDVDでも観てしまおうと
午前11時前には帰宅。
鞄をリビングのソファーへと放り、
ブレザーの制服を脱ぎ、シャワーを浴びた後、
深緑色のジャージーに着替えると
玄関のすぐ脇にあるリビングでくつろごうとソファーに腰掛け
目の前にあるテレビを点けたらそのニュースが
耳に飛び込んで来た。事件のあった総合病院は駅前の繁華街にあり、
僕の家とはかなり離れていた。
緊急車両のサイレンが遠くから風に乗って聞こえる。
シャワーを浴びていたのは30分間くらい。
ソファーに投げたままの鞄から携帯電話を取り出し、
クラスメイト数人に電話をかけてみるが、
繋がりにくくなっているとのメッセージが流れ全く通じない。
Eメール2件受信、同じクラスの男友達から。
内容は2件とも「そっちは大丈夫か?」と簡単なもので
事態は飲み込めてはいなかったが「今の所は無事」と
返信を送り様子を見る。
自宅の玄関の下駄箱の上に置いてある家の電話も試すが
携帯と同じく通話は無理だった。
外の様子が気になり、玄関のドアを少し開け
隙間から首を出し辺りの様子を伺う。
微かに聞こえる、叫び声の様な響き。
パトカーと救急車のサイレンの音はまだ微かに聞こえる距離だけれど、
確実に僕の身近で何かが起こっている事は充分に感じ取れた。
…何事だろう。
僕の目の前を、走り過ぎる人が一人横切り、目が合うと
「外へ出るな!! 死人だ!! 死人が俺たちを喰いに来るぞ!!」と叫ばれた。
死人が、喰いに来る?…その走り去った人のただならぬ様子に
慌てて玄関の鍵をかけ、リビングに戻る。
何かが確実に起きている。それも尋常じゃない何かが。
テレビに目をやると、引き続きニュースでは緊急特番と銘打って、
同様の事件が、国中の警察署内の遺体安置室や病院や交通事故現場、
負傷者を搬送中の緊急車両などいたる所で起き、
死体が動きだし人々を襲い始めているとの報道が始まっていた。
原因がまだ特定されていないと伝え、
[歩く死体に咬まれた人間も1時間前後で死に至り、
同じ様に歩く死体となり人々を襲い始めている。]
[外出は極力控え出歩かない、戸締まりをしっかりとし、
むやみに窓やドアを開けたりしない。]
[不審者には近づかない。][絶対に咬まれない様に注意。]
…と言った言葉が繰り返し発せられる様になった。
時折、警察と消防が事態の収拾を行っているとの情報が
挟まれはしたものの、国中で始まったこの惨事に
各機関が対応しきれているのか、素人の僕には全く判断がつかない。
ほとんどが治療を行う医療機関に、公安の維持を目的とする機関が
事の始まりとも思える状態は、かなりの危機感を煽る。
特番が始まってから30分程見ているが、
いっこうに何が起こっているのかも
見当はつかず。不安は次第に募るばかりだった。
…思った事はひとつ、彼女の事。
僕は一人っ子で両親は2人とも健在。
両親の事を心配する方が自然かも知れない。
…でも真っ先に頭に浮かんだのは彼女の事。
まだ、付き合ってさえいない、手すら握った事のない、
言葉も交わした事のない、隣のクラスの、
彼女の事ばかり考え始めていた。
今、何処にいるんだろう…怪我はしていないだろうか?
無事に非難出来たのかな?
まさかまだ学校にいるんじゃないのか?
…この事態を知っているのか?
彼女が好きだ。
僕はスニーカーを履き玄関を飛び出していた。
玄関を出ると、行く手50mくらい先に
2人血まみれの人がゆっくりと歩き回っているのが目に入った。
見るからに普段の人間の動きとは違い、
よろめき、フラフラと、ゆらゆらと、血まみれで歩いている。
これがニュースで言っていた歩く死体だろうか。
…目に見えて、異常だ。
この有様では既に事態は収拾がつかない程深刻化し、
手の施し様が無いのかという思いが強い。
異様な気配にひとまず玄関へ戻り、下駄箱の脇にある
小学生の時に買ってもらった木製の野球のバットを持ち出すと、
右手でバットの真ん中辺りを握りしめ、再び玄関を出て、
学校へ向かう道を走り出した。
外では緊急車両のサイレンが更にその音の数を増やし、
今となっては けたたましく鳴り響いて聞こえる。
ここよりも遥かに惨事であろう、駅近隣のデパートや
商店街の方角からも耳に届いて来る。
火事だろうか、隣町か遠くで黒煙も所々から登っているのが目に入った。
どうなっちゃったんだ…この状況は。
学校までの道のりは
アスファルトで舗装されている横幅5メートルくらいの狭い道路で、
民家の建ち並ぶ住宅街にあって、垣根やブロック塀で囲まれている
通りとしても極ありふれた景観。普段は車通りも少なく、
ましてや人通りも住人くらいだ。そんな場所にも関わらず、
僕の走る視界には点々と血まみれの人影が入る。
僕に気が付いた血まみれの人達は僕に向かっては来るものの、
動きを早める事は無く、走って追いかけても来ないので、
追いつかれずに、難なく校門へと辿り着く事が出来た。
門は開かれたまま。
僕はとりあえず、
校門は閉めた方がいいと思い、校庭に入ると門を閉め始めた。
非常事態には学校が避難場所になる筈じゃないのか?
外出が出来無い現状なら意味はないのかな。
校庭を見渡すと、血まみれの人が数人、
ウロウロと徘徊しているのが見えた。
声がする。「オーイ!! こっちだ、早く来い!!」
門から真正面、校庭のトラックを挟んだ校舎に一つある、
昇降口から男の人が手を振っていた。
校舎の教室の窓のいたる所では、帰りそびれた生徒や、
教員の姿が数人づつ見て取れた。
「そいつらは危険だ〜!! 走ってこっちへ来い〜!!」
昇降口の男は叫び続けている。
校庭内にいる血まみれの人数は見た限り5人。
危険と聞けば体は呼びかけるそちらの方へと向かう。
昇降口へ小走りに向かいながら、
血まみれの人々に視線を送り、注意しながら進んだ。
…血まみれの中の一人には見覚えがあった。
足を止めて注意深く見つめた。
胸元まである茶色い髪…眉の上で揃えた前髪。
…彼女だ。
僕はゆっくりと歩きながら彼女に近づき始めた。
「近づくな〜!! 捕まって、噛み付かれるぞ〜!!」
昇降口からの声は引き止めようとするが、
僕はそれどころではなくなっていた。
白い制服のブラウスを血で染め、
スカートは裾が破け太腿が露になった、彼女がそこにいた。
その距離2メートル弱。
彼女の灰色のような濁って見える眼球の目玉は僕を見ていた。
口の周りは血だらけで、いかにも生肉に食らい付いたかの様。
右手を伸ばし、僕を掴もうとしているようだけれど、
僕はそれをかわしながら、近づく彼女の歩幅と同じ早さで
後ずさりしていた。左肩には喰いちぎられた様な跡。
その先…左腕は、無かった。
なんて事だ。
空は澄んだ青、雲は高く白い。
平年よりも早く開花した桜は満開を過ぎ、
淡い桃色を光に白く輝かせ、
春の風に花びらをヒラヒラと踊らせていた…。
…彼女が好きだ。
いつか、伝えると思ってた。
(続く)
→第1章(文章のみ)へ。
テレビのニュースで流された第一報は、
僕の住む町の総合病院の霊安室に運び込まれた、
死んだと思われていた男性が突然動きだし、
歩き回って病院で働いているスタッフに襲いかかり
重軽傷者が出ているという報道だった。
春休みも終わり、新学年の始業式だった。
僕が通っている高等学校は家から歩いて10分くらいの距離。
3年間クラス替えがなく、2年生になった今年も、
1年の時と変わらず同じクラスのメンバーで代わり映えが無かった。
ホームルームで担任からの連絡事項が伝えられ、すぐに下校となる。
学校に残って話し込む生徒達もいれば、すぐに帰宅する生徒もいる。
大して変わりない極ありふれた日常、何事も無く過ぎていく時間。
僕は返却日が近づいた借りているDVDでも観てしまおうと
午前11時前には帰宅。
鞄をリビングのソファーへと放り、
ブレザーの制服を脱ぎ、シャワーを浴びた後、
深緑色のジャージーに着替えると
玄関のすぐ脇にあるリビングでくつろごうとソファーに腰掛け
目の前にあるテレビを点けたらそのニュースが
耳に飛び込んで来た。事件のあった総合病院は駅前の繁華街にあり、
僕の家とはかなり離れていた。
緊急車両のサイレンが遠くから風に乗って聞こえる。
シャワーを浴びていたのは30分間くらい。
ソファーに投げたままの鞄から携帯電話を取り出し、
クラスメイト数人に電話をかけてみるが、
繋がりにくくなっているとのメッセージが流れ全く通じない。
Eメール2件受信、同じクラスの男友達から。
内容は2件とも「そっちは大丈夫か?」と簡単なもので
事態は飲み込めてはいなかったが「今の所は無事」と
返信を送り様子を見る。
自宅の玄関の下駄箱の上に置いてある家の電話も試すが
携帯と同じく通話は無理だった。
外の様子が気になり、玄関のドアを少し開け
隙間から首を出し辺りの様子を伺う。
微かに聞こえる、叫び声の様な響き。
パトカーと救急車のサイレンの音はまだ微かに聞こえる距離だけれど、
確実に僕の身近で何かが起こっている事は充分に感じ取れた。
…何事だろう。
僕の目の前を、走り過ぎる人が一人横切り、目が合うと
「外へ出るな!! 死人だ!! 死人が俺たちを喰いに来るぞ!!」と叫ばれた。
死人が、喰いに来る?…その走り去った人のただならぬ様子に
慌てて玄関の鍵をかけ、リビングに戻る。
何かが確実に起きている。それも尋常じゃない何かが。
テレビに目をやると、引き続きニュースでは緊急特番と銘打って、
同様の事件が、国中の警察署内の遺体安置室や病院や交通事故現場、
負傷者を搬送中の緊急車両などいたる所で起き、
死体が動きだし人々を襲い始めているとの報道が始まっていた。
原因がまだ特定されていないと伝え、
[歩く死体に咬まれた人間も1時間前後で死に至り、
同じ様に歩く死体となり人々を襲い始めている。]
[外出は極力控え出歩かない、戸締まりをしっかりとし、
むやみに窓やドアを開けたりしない。]
[不審者には近づかない。][絶対に咬まれない様に注意。]
…と言った言葉が繰り返し発せられる様になった。
時折、警察と消防が事態の収拾を行っているとの情報が
挟まれはしたものの、国中で始まったこの惨事に
各機関が対応しきれているのか、素人の僕には全く判断がつかない。
ほとんどが治療を行う医療機関に、公安の維持を目的とする機関が
事の始まりとも思える状態は、かなりの危機感を煽る。
特番が始まってから30分程見ているが、
いっこうに何が起こっているのかも
見当はつかず。不安は次第に募るばかりだった。
…思った事はひとつ、彼女の事。
僕は一人っ子で両親は2人とも健在。
両親の事を心配する方が自然かも知れない。
…でも真っ先に頭に浮かんだのは彼女の事。
まだ、付き合ってさえいない、手すら握った事のない、
言葉も交わした事のない、隣のクラスの、
彼女の事ばかり考え始めていた。
今、何処にいるんだろう…怪我はしていないだろうか?
無事に非難出来たのかな?
まさかまだ学校にいるんじゃないのか?
…この事態を知っているのか?
彼女が好きだ。
僕はスニーカーを履き玄関を飛び出していた。
玄関を出ると、行く手50mくらい先に
2人血まみれの人がゆっくりと歩き回っているのが目に入った。
見るからに普段の人間の動きとは違い、
よろめき、フラフラと、ゆらゆらと、血まみれで歩いている。
これがニュースで言っていた歩く死体だろうか。
…目に見えて、異常だ。
この有様では既に事態は収拾がつかない程深刻化し、
手の施し様が無いのかという思いが強い。
異様な気配にひとまず玄関へ戻り、下駄箱の脇にある
小学生の時に買ってもらった木製の野球のバットを持ち出すと、
右手でバットの真ん中辺りを握りしめ、再び玄関を出て、
学校へ向かう道を走り出した。
外では緊急車両のサイレンが更にその音の数を増やし、
今となっては けたたましく鳴り響いて聞こえる。
ここよりも遥かに惨事であろう、駅近隣のデパートや
商店街の方角からも耳に届いて来る。
火事だろうか、隣町か遠くで黒煙も所々から登っているのが目に入った。
どうなっちゃったんだ…この状況は。
学校までの道のりは
アスファルトで舗装されている横幅5メートルくらいの狭い道路で、
民家の建ち並ぶ住宅街にあって、垣根やブロック塀で囲まれている
通りとしても極ありふれた景観。普段は車通りも少なく、
ましてや人通りも住人くらいだ。そんな場所にも関わらず、
僕の走る視界には点々と血まみれの人影が入る。
僕に気が付いた血まみれの人達は僕に向かっては来るものの、
動きを早める事は無く、走って追いかけても来ないので、
追いつかれずに、難なく校門へと辿り着く事が出来た。
門は開かれたまま。
僕はとりあえず、
校門は閉めた方がいいと思い、校庭に入ると門を閉め始めた。
非常事態には学校が避難場所になる筈じゃないのか?
外出が出来無い現状なら意味はないのかな。
校庭を見渡すと、血まみれの人が数人、
ウロウロと徘徊しているのが見えた。
声がする。「オーイ!! こっちだ、早く来い!!」
門から真正面、校庭のトラックを挟んだ校舎に一つある、
昇降口から男の人が手を振っていた。
校舎の教室の窓のいたる所では、帰りそびれた生徒や、
教員の姿が数人づつ見て取れた。
「そいつらは危険だ〜!! 走ってこっちへ来い〜!!」
昇降口の男は叫び続けている。
校庭内にいる血まみれの人数は見た限り5人。
危険と聞けば体は呼びかけるそちらの方へと向かう。
昇降口へ小走りに向かいながら、
血まみれの人々に視線を送り、注意しながら進んだ。
…血まみれの中の一人には見覚えがあった。
足を止めて注意深く見つめた。
胸元まである茶色い髪…眉の上で揃えた前髪。
…彼女だ。
僕はゆっくりと歩きながら彼女に近づき始めた。
「近づくな〜!! 捕まって、噛み付かれるぞ〜!!」
昇降口からの声は引き止めようとするが、
僕はそれどころではなくなっていた。
白い制服のブラウスを血で染め、
スカートは裾が破け太腿が露になった、彼女がそこにいた。
その距離2メートル弱。
彼女の灰色のような濁って見える眼球の目玉は僕を見ていた。
口の周りは血だらけで、いかにも生肉に食らい付いたかの様。
右手を伸ばし、僕を掴もうとしているようだけれど、
僕はそれをかわしながら、近づく彼女の歩幅と同じ早さで
後ずさりしていた。左肩には喰いちぎられた様な跡。
その先…左腕は、無かった。
なんて事だ。
空は澄んだ青、雲は高く白い。
平年よりも早く開花した桜は満開を過ぎ、
淡い桃色を光に白く輝かせ、
春の風に花びらをヒラヒラと踊らせていた…。
…彼女が好きだ。
いつか、伝えると思ってた。
(続く)
→第1章(文章のみ)へ。
PR