“ゾンビと楽しく過ごそう!!” を標語に日々ゾンビとの接し方を摸索しているブログです。「ゾンビ保護区」を目指し出会ったゾンビ達の観察記録や創作ZOMBIEまんが&すけっち他、好きなホラー映画やお気に入り断絶映画の事等気まぐれに更新しています。
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めざせ!! ゾンビ小説家!!
ゾンビが好きすぎて自作のお話なんか
拵えております。興味のある方は寄って
みて下さい。とは言え、なにぶん素人の
書く物語なので大目にみて下さいね〜。
ひとまず秘かに裏道へと進みます。
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ジョージ・A・ロメロ監督作。
☆ゾンビ新時代到来の息吹を最後に…
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作者の青蓮さんのご厚意で拝読中です。
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ゾンビ物語の数々。
一節が非常に短くちょっとした合間に
読めるので、育児の傍らにも最適(笑)
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和製インディーズゾンビムービーの傑作発売から2年…ついに「地獄の血みどろマッスルビルダー完全版」となってWHDジャパン・フォワードレーベルから正規版DVDが発売中です!!
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和とゾンビの融合!!!!
当ブログの感想はコチラに。
【予告編1】【予告編2】
doragodonさんのブログはコチラから。
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掲載して頂きました♪
久しぶりのオリジナル漫画です(笑)
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興味のある方は是非お手にどうぞ!!
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プロフィール。
HN:
死霊の南瓜金助
性別:
男性
職業:
自称ゾンビ画家
自己紹介:
→私的暫定ゾンビランキング(〜2014)ホラ〜映画は好きでゾンビにも興味はあったのですがリメイク「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)を見てからというものモノスゴク好きになってしまいました。好きと言うだけでマニアックという程の知識はありませんけれど。そんな訳でゾンビ熱発症からは日が浅いのですが、以来、ゾンビ漫画家になるのが夢です。「南瓜金助」と言うペンネームでちょっとした漫画を描かせて頂いたりもしていました。
ゾンビと歩む。
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☆相互リンクさせて頂きました。
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>画像、チラシより。劇場公開にて。
ジョージ・A・ロメロ監督が「ゾンビ」から遡る事5年程前に
拵えた混沌映画の傑作「ザ・クレイジーズ」のリメイク
となる本作ですが、当ブログではオリジナル版を
踏まえた上での感想になっていますのであしからず。
オリジナル版を観ていない方には「よくある感染パニック映画」で
終わっている可能性もありそうです。それでもパンデミック逃避行物
としての殺伐とした印象は映画としてなかなか好みでした。
穏やかな小さな町に突如起きた射殺事件。野球の試合中に銃を持って
グランドに現れた男を保安官のデヴィッドが危険を感じ撃ち殺して
しまった。当初、酒に酔っての行動と思われ射殺した遺体を調べるも
原因がはっきりしない。やがて次々と起き始める人々の異常行動と
惨劇を調べるうちに、川に何かが落ちたと言う証言を聞き川の上流に
向かうと、そこにはこの異常事態の元凶が不気味に姿を現し、町には
防護マスクを着けた軍人達が押し寄せていた…。
☆以下、内容に触れています。
(オリジナル版「ザ・クレイジーズ」にも言及しています。)
オリジナル版に観た、人物、事態、考え方、など様々なクレイジーぶりが
あれよという間に蔓延る様を状況報告的な演出で淡々と描ききった
潔さや、世界観と襲い来る人々に、いわゆるモンスターとしての
“ゾンビ”が直接描かれていないにも関わらずゾンビを感じずには
いられないと言った雰囲気は成りを潜めてしまいましたが、
リメイク版はそれでもやはり、おかしくなった人々、
尋常ならざる振る舞い、極めつけ軍事行動と、正気の沙汰とは
思えない三昧の作品なのは確かです。主人公たちの逃亡劇を
描きたい事柄や見せ方に的を絞ってショーアップした印象で、
個人的にはそう悪い出来でもなく、及第点は越えています。
でもそれは見比べる事が出来たから楽しめた部分でもありますので、
双方比べつつ作品を振り返ってみようと思います。
もし感染力の強い殺傷生の高いウィルスが身近で蔓延し、
自分への感染も調べる術もなく、そのウィルスの影響で気がふれたり
他の人々に危害を加えるかも知れないとだけ解ったら、自分なら
どうするか…。正常か否か、正しい判断が出来ていると思って
行動するも、それが正しいのかは当人では判断しようがない。
そんな状態で逃げ延びる道を選べるのか。逃げ延びていいものなのか。
…とは言え殺されるわけにはいかないし自分は感染していないと決め
生き延びる為に逃げ惑う。リメイク版の本作では終始その辺りを
考えさせて来る気がしました。
オリジナル版は複数の“クレイジー”を描き込みさらに
ドキュメンタリーを見ている様な錯覚を感じさせる緊迫した構成に、
個人的には画面の“外”から事を観、考えさせる場を提供された感を
受けたスタイルでしたが、リメイク版は逆に画面の“内”に招き入れ
考えさせようとする雰囲気があり、オリジナル版との演出面の違いを
思わせ、登場人物との距離感から来る身近な印象は良かったです。
軍事兵器トリクシーの招く恐ろしい事態の中には、感染しているかが
はっきり“わからない”事もあり、ロメロ監督のオリジナルでも
その部分には触れていますが、トリクシーと観客の距離は確実に
リメイク版の方が近く感じました。
感染者は時間が経つにつれ、容姿も皮膚が炎症を起こし、惨たらしく
ゾンビっぽい形相に。それでも武器を翳し迫り来る様は人間臭いですが、
閉鎖された区域で殺されるのを待つだけの、「社会的に死んだ存在」感は
ずっしりと重く、当ブログ的にはゾンビと括っても良いのではと
思いました。
キノコ雲で締めくくるのも最早セオリーと化して今更感は否めませんが、
オリジナル版では指をかけた最も愚かな判断をあえて描いたと取れば、
キ◯ガイ沙汰として物語的には納得のいく有様でしょう。
しかも、逃げ延びた感染していないかも知れない保安官夫妻の
向かった先にも的を絞り再び惨劇を繰り返そうものなら、
クレイジーさも甚だしい。ボタン一押しで片をつけてしまいそうな
思考力の無さはオリジナル版が描かれた時代より、現在の方が現実味を
帯びているのかもしれないと考えるとそれもまたいかれ加減に
拍車をかけて来ます。
果してオリジナル版を知らずに見た場合どうだったか…
それでも死体の数にみる惨たらしい仕打ちに異常さは感じられた筈。
結構、いい線いっていたかも知れません。
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>画像、捕獲DVDより。
初見です。
なにか凄い事をやってやる…自らの犯した罪により罰を受けたテリーは
自分をそんな目にあわせたやつらを見返してやろうと考え、映画作りを
決意する。誰も撮った事の無い作品を突き詰めると、実際の殺害現場を
映像として収めるスナッフフィルムに辿り着き…。
この作品は非常に危険な映画です。本作品を観てなんらかの
異常をきたしても、責任を負いかねますので、ご了承下さい。
パッケージにはそう言った記載が。
警戒を促すのも一理ありそうな気配です。
画質も悪く残酷描写もそうグロくは無い…予算の都合があったと
してもグロをメインに置くのであればその部分をもっと重点的に
描いていてもおかしくない筈…そう考えてみるとそこをメインで
撮ってはいない様な気になって来ました。
☆以下、内容に触れています。
冒頭、やがて集まり殺戮集団となる前の個人個人の現実に、
逆恨みや憤り、虚無感を同期してしまいそうな周波数は放たれていて
観客が受信し得る可能性が全く無いとは言いきれない様相。
そこまで心配はしたくはないですが本作で警告を発するならば、
そのニュアンスなのでしょうね。…そう言った意味では奇跡的な
リリースかも知れません。
鑑賞の後に読んだ封入の解説に、監督は撮影当時、覚◯剤で判断力を
失っていた様な状態だったと言うような記載が。解体シーンにも何の
感情も抱かなかったらしいです。そうは言っても、構成や演出は
“映画”を考えていたとしか思えないような“意図”が画面から滲み出て
いて、これを正気でない状態で拵えたのならばよけい凄いのでは
ないかなとも思う。不気味な彫刻の羅列、穴から顔を出す殺人鬼達、
画面と音楽の同期、ライトアップされた闇に消え行く姿…e.t.c
極めつけはやはり解体ショーにおける突然ハッとするような白と赤の
コントラスト。しかもDIYキットがこれ見よがしに丁寧に並べられ、
DIY=「自分でやってみよう」の姿勢を感じるにこれはやはりかなりの
毒気は孕んでいるに違いないと思わせます。監督の当時の状態を知るに
本当に何も考えてはいなかったとは思いますが、私はそう受け取って
しまい本作に“内容”を感じてしまいました。
「Do It Yourself」…聞こえてしまったのは私だけでしょうか。
本当に危なっかしい作品かも。危ない危ない。怖い怖い。
残虐で凶悪な事件が起こるに付け取りあげられる
責任転嫁のやり玉に挙げられない事を祈ります。
解説をお書きになられた木野雅之さんの指摘された“世直しの実行”と
言う考えは、その辺もあるかも知れないと思うと身震いしました。
個人的には永井豪先生の漫画「デビルマン」に於ける“人間の戦争”の
意味する事柄を示した解釈を思い出します。
私は「ドイツ チェーンソー大量虐殺」や「青い春」、
そして「時計じかけのオレンジ」が好きなので、それらとは同じとは
言えないながらも、似たような行き詰まり感を纏っていそうな本作も
興味深く観させて頂きました。
本作から何を感じるかで観た方のスタンスも判りそう。
なかなか意地の悪い作品。個人的には“映画”から意義のある時間や
内包する怖さを身に沁みて感じられ、傑作とまでは行かなくとも
趣のある作りでしたので良作辺りで収めておきます。
>画像、捕獲DVDより。
頭髪の抜け落ちてしまった狂人達が目をむいて襲いかかる!!
タイトルが「狂」から「凶」に変更された様ですが、そこまで気を
配らなければならないという事は、それだけ敏感にならざるを
得ない程に「狂」が表立つ事を敬遠しているという事でしょうか。
それも考えようによっては危うい状況なのかも知れませんね。
仲間内で集まり開いていたパーティーで楽しんでいた男が
いきなり豹変して殺人鬼と化し、その場にいた女性3名を殺害!!
同じくパーティーに参加していた男は殺人鬼とはち合わせし
争っている所を目撃されると惨劇の犯人にされてしまい…
☆以下、内容に触れています。
記憶に新しい所では、インフルエンザの症状かはたまた
治療薬「タミ◯ル」が原因かは特定されていませんが、
薬の副作用の疑いがかかるケースで異常行動を示して
亡くなった方がいると言う報道を耳にしてしまう昨今、
あまりに身近故に本作も最早笑える状況でも無さそうですが
しかしながら、薬の作用によって髪がごっそりと丸ごと
すっぽ抜ける様は、おかしさと恐ろしさを混同させ絶妙な
ホラーシチュエーションを感じさせるシークエンスとして
今以て脱帽です。
DVDに封入されている解説を読むと監督さんは剥げ頭に
ドラッグのアイコン的なヒッピー達の長髪への暗喩を込めた雰囲気。
ヒッピー達の長髪が無ければ本作は産まれなかったと言う事でしょうか。
60年代から70年代と言うと私はお子様真っ盛りで当時のムーブメントの
ムの字も感じてはいなかったと思いますが、カウンターカルチャーの
産み落とした申し子はやんちゃぶりも激しく今だにこんなにも
元気なのが凄い。
さっきまで気持ち良く歌い上げていた男の髪がすっぽ抜け
目をひんむいて並外れた力で襲いまくる様は異様な不気味さ。
女性を捕まえると突然煖炉に突っ込み燃やす姿は絶句でした。
結局居合わせた女性3人とも煖炉に押し込んで燃やしてたなんて
凄まじい凄まじい。10年も前に服用したブルー・サンシャインと言う
ドラッグがなんと10年もの歳月を経て精神に異常をきたさせた事が
原因らしいですが、そのドラッグをばらまいていた男は何喰わぬ顔で
議員に立候補して笑顔をふりまいていたりと政治不信を匂わせ、
逃げ惑う男も拳銃ではなくポンプ式空気銃でカタをつけようとする所
なども、当時も昨今もそう変わりない世相を見たようで感慨深く
非常に好みな作品です。
逃げ回る男の突き詰めた終点…怪作にして良作。
>画像、捕獲DVDより。
本DVD化で初めて見ました。
VHS版は未見なので違いがあるようでしたら
お教え頂けると嬉しいです。
悪魔崇拝者のヒッピーグループは移動中に車が故障し、人口40人の
小さな町にしばらく居着く事に。町の娘はグループに乱暴され
その祖父は仕返しに向かうが返り討ちにあい怪我を負わされてしまう。
孫のピートは獣医の祖父から狂犬病の話を聞いていて、町に現れた
狂犬病の犬から血を抜き取ると、母親の売っているパイに犬の血を
仕込みヒッピー達に買うように仕向ける。そのパイを食べた
ヒッピー達の体はやがて異変を現し次々と人を殺し始めたのだ!!!
☆以下、内容に触れています。
なんて事するんだピート少年!!
おかげで町は殺戮集団が横行する危険地帯と化す!!
子供のちょっとした仕返しのつもりが恐ろしい結果に!!
そこが一番怖いかも。
監督曰く、恐水症を描きたかった所に世間では集団殺人の事件で
慌ただしくなり、その2つを合わせた作品との事。
ラストに向けて泡を吹き増え続ける凶器を振りかざす殺人鬼たちの
凶行がエスカレートする様は、なかなかシュールで圧巻でした。
切り取った足を見せびらかしたりとお茶目な反面、
妊婦さんが自らのお腹に杭を立てるシーンは今でも衝撃的。
劇場公開当時のオリジナル予告で、しっかり「ゾンビ達が襲って来る」と
言った言葉が聞け、こう言った人間性を失った態がゾンビと示されて
いるのも興味深かったです。
水を恐れると言う症状から、発想としてはシンプルながらも
川に入れなかったり、水かけられて倒れてしまったりも、
単純でこう言ったニュアンスは好きな私としては意外と嵌って
スリリングでしたよ(笑) LSD中毒だからどんな症状を現すか判らない
など考えようによってはウィルスの変化を示唆するとも捉えたりもして
(まぁ考え過ぎですが)映画としてはユニークで妙な雰囲気も味わえて
個人的には楽しめた1本です。
映画見終えて、ピート少年おとがめ無し?
母親噛まれてるじゃんか!! と思っていたら
本編には使わなかったけれどその辺の事も両方撮って
用意していたんですね。未使用シーンで見られ、
勝手に後日談的な解釈でそちらも楽しめました。
特典収録のインタビューで監督自身が「ザ・クレイジーズ」と似ていると
告げていますね。確かにシチュエーションだけ取れば似ていますが
本作のストレートな狂人達の恐ろしさは「ザ・クレイジーズ」の内包する
“ロメロ監督の真骨頂”的内容とは一線を画していますので、
両方見た方は作品の描き出した事柄を判断出来るでしょう。
タイトル“I DRINK YOUR BLOOD”は内容もよく知らずに
勝手に付けられたらしいですが、邦題の“処刑軍団ザップ”は
コミカルな雰囲気でまた妙な味わいもありなんだかおかしく、
作品もまんまそんなニュアンスなので邦題も含め
総じて割と好きだったりします。
ところで本国で本作が劇場公開当時、抱き合わせで公開された(?)らしき
“I EAT YOUR SKIN”はヴードゥー絡みのゾンビ態作品との事。
私は今だお目にかかれていませんがいつかは観てみたいです。
個人的なお知らせで恐縮ですが。
この度、コンビニなどで現在発売中の
「まんが豪快!仰天!破天荒!有名人ブッ飛びマル秘伝説」と言う
廉価版コミックでニコラス・ケイジさんのゴシップネタを
題材にちょっとした漫画を描かせて頂きました。
P.Nは南瓜金助(ミナミウリ ゴンスケ←読みはさっき考えました)で
漫画の中でシュランケン・ヘッドと言ういわゆる干し首を
一コマだけですが描く事になり、なかなかホラーな題材なので
当ブログで取りあげてもよいかなと思いまして…(汗)
(↑文章はブログ投稿用に書き換えています)
干し首がどんなものなのかはなんとなく知っていましたが、
描くにあたってネットで検索してみたのですが
扱っている記事は多くなく結局大体なこんな感じ的な
絵になってしまいましたが…(汗)
いやはや生首から頭蓋骨を抜き取り形を整えて
小さな顔を作るなんてすごい発想を抱いたものです。
こちらのコミックスはコンビニ他、
amazonでも取り扱っているようです。
興味のある方はお手に取ってみて下さい。
↓この表紙が見印!!
この度、コンビニなどで現在発売中の
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描くにあたってネットで検索してみたのですが
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>画像、チラシより。衛星より受信。
アラスカ州北部にあるノームという町。多くの住民が行方不明に
なっていて、眠れないと言った人々の数も300人を越えるらしい。
心理学者アビゲイル・タイラー博士は不眠を訴える住民達の話を聞き
催眠療法で彼らの内に潜む真実に迫ろうとした。解明のためその
一部始終を撮影し施術を試みたのだが、撮られた映像は何者かに
恐れを抱く患者達の姿と目を疑う様な異常な現象だった。そして
その異常な事態はタイラー博士の身にも…。
この映画は、65時間に及ぶタイラー博士の撮った記録映像、
パトカーの車載カメラ、録音された音声と、その情報を元に再現された
映像で構成されていまして、こう言った作品は斜めに構えてみると
面白さを見て取れない場合がありそうなので、全く事前情報を得ずに
見る事にしました。個人的には怪奇現象とかは興味有りますので
記録映像パートはそれなりに気味悪く観えて、それを踏まえた
再現映像パートとの比較など、ひとつの作品としてはユニークな
アプローチと仕上がりで良かったと思います。
見終えてみて首を傾げてしまった点がいくつかありましたので、
本作についてネットで調べてみましたら、成る程“そう言うオチ”も
着いていたのですか。その後の展開までを含めたポテンシャルを
示した部分を加味して、総じて考えようによっては結果的に
なかなか面白い展開になった作品だったのではないかと感じました。
☆以下、内容に触れています。
(事前情報を得ずに見た方が面白いのではないかと思い
ましたので未見の方はご遠慮下さい。)
私の思った腑に落ちない点ですが、ひとつは記録映像部分で
異常事態が起きる度に画像が乱れてしまい、その見れない部分を
再現映像部分で何故もっと詳しく描かなかったのかと言う所。
その現場にいた人達が実際に見ている事実を克明に描く事が出来た筈で、
体が宙に浮いている状態や何者かが寝室に入って来る一瞬の再現
はありましたが、再現か想像だと割り切って気味悪いイメージを
もっとまことしやかに描き出して欲しかった気もしました。
そこが一番もどかしかったです。再現を売りにしていますよね、本作。
個人的には下手にやって嘘くさくなっても挑んでほしかったですね(笑)。
昔、テレビ番組で宇宙人に襲われた一家の話とかよくやっていましたが、
着ぐるみ感あっても不気味な気配は伝わりましたから、興ざめはしないと
思うんですけれど。全部じゃないけれど日本のUFO特番再現シーンも
負けてなかったな、今思うに。
もうひとつは、映画内で謎の存在達が話すシュメール語の訳が
やたら象徴的な言葉だけピックアップされ、意図的に思えてしまった
事でした。事前情報無しで斜めに見てなくても、喋り過ぎだと(笑)
秘かに行動し続けるのなら、そんな事わざわざ地球人に説明しなくて
いいです(笑)。それも何か思惑があっての態?まさか自分達を現すのに
都合のいい言葉だけ解読させているのかな?そうそう謎の存在達、
天井すり抜けるテクノロジー持っているのにわざわざドア開けて
入って来るのは悪ふざけも行き過ぎです。(笑)
一番興味を惹かれたのは、催眠術をかけた事が原因で
犯罪を犯してしまったかもしれない可能性があるとしていた所。
真実であれ幻覚の産物であれ、当人が受けた精神的ダメージが
周辺人物の殺害や当人の自殺まで起こすとは、これは怖いです。
一昔前は催眠術にかけて殺人や自殺を仕向けても当人のモラルが
邪魔して起こせないと言われて来ましたが、自らの陥った命の危険から
逃れさせる為と言った理屈で相手を傷つけさせる行為や、親しい
周辺人物を助ける為といって自殺させてしまう場面は、最近の
テレビドラマや映画ではあたりまえのよう描かれ始めました。
巧みに人間の精神状態を操って殺人や自殺を起こさせる術。
…恐ろしい時代になったものです。
話がそれましたが、一応、実際に起きた事件の映像と再現映像で
構成された映画と言う態では観ましたが、それでも首を傾げて
しまったので、ネットで調べたらウィキペディアに、実写パートと
再現パートで構成した作りのモキュメンタリー映画とありました。
モ・モ・モ…モキュメンタリーでしたか。
しかも映画会社が実際の事件と見せる為にニュースや訃報記事を
偽造した事を認め、その事で被害を被った団体に和解金まで
払ったと言うオチまで書いてある。…さて、ここでまた疑問です。
ほら、よく聞くじゃないですか、政府によって事件がもみ消された
なんてケース。映画会社に責任を負わせ本当にあった事を嘘でしたって
言わせている可能性はないですか?そう考えるとなんだか
とてもミステリアスな映画に見えませんか?ふふふふふ…。
真実はあなたの中に。
信じますか?あなたはこの映画を…………。
>画像、チラシ/半券より
2009年の年の暮れに行われた歌舞伎座さよなら公演で
日本の誇る伝統芸能である歌舞伎デビューを成し遂げたゾンビ達が
いましたね。ポップカルチャーとしても、もはや定着したと言える
ゾンビ達のその感染力の強さ故かここまで蔓延って見せました。
その名も「大江戸りびんぐでっど」。暮れの本公演は出向けず見逃して
しまい悔やんでいましたが、この度なんとシネマ歌舞伎化され
劇場公開となりました。これは嬉しい!! 歌舞伎は学生の頃に
社会科見学かなにかで1度観た切りで、増してや歌舞伎界の事も
全く知らないのですけれど、凄い役者さんばかりと言うのは充分
伝わっています。“今”を貪欲に取り込んだかの様な柔軟性、
名を連ねる総勢たる役者さん達が体当たりのゾンビ演技。
その役者魂と本気感に打ちのめされました。
江戸の町を襲ったゾンビの群れ…舞台ながら確かな造形とその数。
かのジョージ・A・ロメロ監督作より受け継がれる世相風刺的セオリーと
「死霊のえじき」へのオマージュ、そして元祖ヴードゥーゾンビに観た
その奴隷たる労働への酷使…宮藤官久郎氏の的を得た脚本に演出力。
さらに、多くの死者を出したと伝えられる永代橋陥落に轟かせた
一大スペクタクルはゾンビ映画としても完成度の高い見応えある
傑作でもありました。
面白かった…ゾンビ好きならきっとなおさら。
☆以下、内容に触れています。
江戸の町にささやかれる“らくだ”の様な目つきでうろつく
「らくだ衆」なる気味の悪い死人の様な奴らが猫を喰らう噂…
大工の辰が遊郭で遊びと洒落込もうと女郎を待つ間、佐平次と言う男から
聞かされ恐ろしい話。女郎がやって来て佐平次は去ると襖を閉め切った
部屋で男と女二人きり。そんな中、噂の“らくだ衆”は群れを成して
遊郭の二人の部屋にまで攻めよって来ていたのだ!! さあ遊郭は大混乱!!
次々と人々を喰らう死人達の発生原因とは?! 江戸の町の運命はいかに!!
原因は新島のくさや職人“新吉”の家に代々伝わるくさや汁!!
新吉の死後、大切なくさや汁を抱え新島から江戸に渡った女房のお葉は
浜でくさやを拵えて暮らしていた。その秘伝のくさや汁を追って新島
からやって来た半助の話だと、お葉が去ったあと新島じゃあ大変な
事態が起きて、死人が人間を襲い始めたって話なんだが、逃げた半助は
なんとか船に乗り江戸を目指すと、乗った船にも死人が蔓延り半助は
海に飛び込んで命からがら江戸にたどり着いたらしい。
半助が言うにはなんでもこの秘伝のくさや汁をひとたび浴びれば
あら不思議、死人が蘇ってしまうってぇ寸法で、その一部始終を
見てたって事なんだが、蘇った死人に噛まれた人間も生ける屍に
なるって始末。しかしこともあろうかこのくさや汁、人様に塗れば
死人達は仲間と思い、人様が喰われる心配は無いという便利な
代物だって事にも気が付いたようだ。
その生ける屍たちの放つ臭いったら、あまりの臭さに
“鼻の存亡が危ぶまれる”ってんで新島じゃあ“存鼻=ぞんび”と
呼ばれ、船で江戸の町に辿り着いて増えに増え続けた存鼻達に
こりゃまずいと、存鼻の生死を問いなおかつ焼き討ちにするべきか
裁きを受けさせるために奉行所にと集められていた。
半助はこの不可思議なくさや汁で一儲け出来そうだ考え、
存鼻達を労働力に使えるんじゃねえかってお奉行に提案をすると
“存鼻”達は“はけん”として改められ焼き討ちを免れ共存を始めるって
いきさつなんだが、終いにぁとんでもねぇどんでん返しが待ち構えて
おりまして、そいつぁ見てのお楽しみって訳で…(笑)
りびんぐでっど・いん・えど〜♪
とにかく良かったです。大満足。
ロメロ好きもゾンビ好きもみんな集まれ〜!!!
DVD化されるのかなぁ〜欲しいぞ、これ。
公式HP→「大江戸りびんぐでっど」
>衛星よりHD受信
痛いっ! 痛いっ!! 痛いっ!!!
怖いと言うより激痛盛り沢山の神経過敏×精神的嫌悪感たっぷりと
でも言いましょうか…個人的に痛みには弱いので体中がピリピリして
来ましたよ(笑)。作品的には物凄く地味で恐怖対象も絵面的には全く
怖くはない(むしろ花なんかカワイイ)のですが、周囲を存分に見渡せ
青空を見上げられるのに八方ふさがりの閉塞感があまり無い雰囲気で
ユニークな印象もありました。
2組のカップルが旅先で知り合った男達に、地図に乗っていない遺跡に
行くので一緒に行かないかと誘われ、そんな機会は滅多に訪れる
事は無いとカップル達を含めた6人はジャングルの奥地を目指した。
目の前に忽然と現われたツタの生い茂げる聳え立ったマヤ遺跡に目を
奪われ近づくと、突然周辺に暮らしている民族に武器を向けられ、
帰る事も出来なくなり遺跡の頂上に見えたテントに向かって登り
始めるが、頂上には人影はなく遺跡内部に通じる縦穴がある
だけだった…そこから携帯電話の着信音が聞こえて来て内部を
探ろうと縦穴を降りるのだが…。
☆以下、内容に触れています。
(読んでしまうと驚きが薄れてしまうので未見の方はご遠慮下さい)
地図に乗っていない場所には近づいちゃいけませんて!!
たとえ警告のサインがあったとしても、向こう見ずな考古学者や
若者達は入って行っちゃうのでしょうけれど、いやはやまた
とんでもない生物が繁殖していたものです。
サブタイトルに食人草とあるので内容はまる判りなのですが、
実は食人植物は二の次で、兎に角、思わす怪我をしてしまったり、
失敗して怪我をしたり、食べられて怪我をしたり、切ってしまい
怪我をしたりと、怪我三昧がメインの様。こりゃ痛い!!
背骨を怪我した男は下半身不随と医学生が判断し傷から敗血症を
防ごうと言われ、いざ処置を施したら神経通っていて、それでも
処置を続けられ両足の脛の骨砕かれて、足切られて、フライパンで
焼かれて止血。怪我を負った女性は傷から植物が寄生して体内で
這いずり回り増殖するし、それを取り出そうとしてまた切る切る切る!!!
疲労困憊、精神衰弱、人格崩壊、最愛の人まで殺してしまう異常さ。
定番と言えば定番ですがその返の血のしたたり具合がかなり痛い!!!
加え露天的開放感なのに八方ふさがりな矛盾感も神経をさかなでて
行き場の無い絶望感を増して来る。この違和感は巧いと思う。
鳥も虫さえ恐れ近寄らないような食人草。血を好み、分裂して
繁殖する様ですが、一体どんな進化を遂げこのような存在になったの
でしょうね?まさか地球外からの侵略?火には恐れを抱いていない様。
発火しにくい性質とか?燃やせば済むんだったらとっくにやって
いそうだし。可愛らしい花は音を憶え歌う様。花の目映さか、
あるいは歌につられやって来る獲物を捕らえる習性の肉食植物でも
ありそう。地元の住民達は食人草を遺跡から外に出さないように
代々塩をまき防衛していた様です。ツタに触れたものは子供でも
危険視し容赦なく殺す徹底ぶり。その事からも、おいそれと学者が
やって来て草を持ち去ろうものならこっそり侵蝕しあっという間に
全生物餌食となりそうなも伺えます。
そんな中、命からがら逃げ遂せ生き残った女性1人。
世間に公表すれば救助もやって来るだろうし、
研究したい輩は大勢いそうです。
…その前に逃げた女性の体に“種”なんか着いていないと
良いのですけれど……………。
登場する女のコが二人ともかわいらしく懸命な姿が健気で…(涙)
こう言った謎の生物ものは好きなので
まずまずの及第点。なかなか楽しめました。
DVDには別エンディングが収録されている様で観てみたい気も。
追記:2010/10/25
原題の「THE RUINS」の意味をを調べてみたら、
ruinには、遺跡、廃墟と言った意味の他に、
残骸、敗残者、被害、◯◯で身を滅ぼした…等の文字が。
成る程、そう言う事…それらはゴロゴロ転がってますよね。
>衛星より受信
「みんな、ゾンビみたいになっちゃったりしてな」
これは劇中の実験に参加した一人の男が発したセリフの訳。
当ブログ的にはなかなか興味深いニュアンスで始まりましたが…
その先にどんな実験が待ち受けていたのでしょうか!!
椅子や机は床にネジ止めされ白い壁とその部屋を見つめるように
設置された黒い窓ガラス…1人、また一人とその部屋に集まり始め
アンケートを書かされる。主催者が部屋に現れると集まった4人は
桁外れの報酬額を聞き一喜一憂…しかし一発の銃声が部屋に轟くと
事態は急変。パニック状態に一瞬にして部屋に閉じ込められた
被験者たち…一体何の実験が開始されたのか?首謀者の目的は?
そして生き残る術は果して何なのか!!
主演のクロエ・セヴィニーさんに初めて出会ったのは映画「キッズ」
でした。なんとも言えないコケティッシュな容姿に一目惚れ。
それ以来注目はしているのですが、出演作全作とまではまだ
観終えていません。主役級の扱いは数える程なのはちょっと寂しい。
「ゾディアック」の主人公の奥さん役のおさげ姿もよかったでしょ?
体当たり演技で必要とあらばなんでも挑むスタイルにしばしば
驚かされるので侮れません。凄い女優さんです。少し前に
ユニクロのキャラクターに起用されたり、本国では自身の持つ
デザインセンスを活かしファッションに関わったお仕事も多いとか。
今回は分析力に裏打ちされた冷血な女性の役と言う事で、
その冷ややかに感じる視線が合ってました。
余談はさておき本題「実験室KR-13」、原題はTHE KILLING ROOM。
タイトルが示す通りとある部屋で実験が行われ脱落者は即死体。
しかし生き残ったものが得るものを想像するになかなか残酷で
恐ろしい側面がありました。映画として面白かったです。
☆以下、内容に触れています。
冒頭説明される“MKウルトラ”はCIA科学技術本部が極秘に行っていた
洗脳実験の名との事。1973年に当時のCIA長官が関連文書の破棄を
命じ詳細は明らかになれていないらしいのですが、本作はその実験が
続けられている可能性があるとし、そのマインドコントロール実験が
再起動したのか、新聞広告に時給の高いテストと称し人々を誘い込む。
クロエ・セヴィニーさんは冷血と言われながらも実験に対し違和感を抱え
もどかしさの伝わる難しい役所でした。こんな部署に呼ばれ自分には
無理ですなんて言った時には絶対容赦なく殺されてしまう筈ですから
なんとしても自分の意義をアピールし留まらなければなりません。
冷血と言われる彼女が被験者を引き連れ逃げ出そうとする想像が何とも
悲しく切実でよいです。ここに留まりいつの日かこの暴虐を暴けるのも
彼女しかいません。彼女の選択も複雑な心理状態を孕んで
見事な演技でしたよ。
今何故マインドコントロールを必要としているのか。
それは物語が進むにつれ明らかにされて行くのですが、何とも強引な
組織が発動してしまったものです。途中に出て来ますキーワードの
「細胞死(劇中ではアポトーシス)」…難しい事はわからないので、
劇中の解釈から“多細胞生物の体では劣った細胞が自ら死を選ぶ”、
さらに“全体の利益の為に自らを犠牲にする”と加えられ、察するに
この場合は“自らを犠牲にして国民を守る様に仕込める人間”を
探し出すテストをしていると捉えて良いのでしょうか。
人間兵器製造過程を目の当たりにしているわけですね。
募集した人員を次から次に殺しまくり、その中から必要な人間を
発掘しなければならないとは…知られていないとしてもえらく派手。
20人中一人の割合で必要な人材が現れるようですが一握りの適格者を
捜し出すまでどれだけの犠牲が出すのでしょうかね。
守るべきものを守る前に滅ぼしそうな勢いもとんでもなく微妙な
感覚でスリリング。得てして謎の組織と言うものはそう言った暴走感も
ホラーニュアンスとして面白いです。目には目をですか…自爆テロとの
違いは行った者の全く意志が反影されていない所でしょうか。
しかも民間人と言う主に危険を感じさせないであろう素材…
とんでもない実験もあったものです。
テストをかいくぐり最後まで残った中年男性と若い男の二人は、
この組織の横暴を生き残ったどちらかが世間に暴くという意気込みを
抱え、殺される瞬間まで覚悟を決め挑もうとするのですが、なんと
若い男が実験中盤に組織から投げ込まれた弾の一発だけ入った
拳銃を口に加え、自殺しようとする!!……皮肉にも死のうとした
若い男は適格者とされ、中年男性の方が組織に射殺されてしまい
実験「フェーズ1“選択”」は大成功のもとに終了。
…ここでひとつ疑問が湧きます。自殺しようとした若い男は
自らの死を持って他人を生かそうとしたのか、あるいはこの重荷と
恐怖から逃げ出したい一心で死のうとしたのか、と言う事です。
隙をみて組織の追っ手を逃れ施設内を奔走し逃げ出そうとする若い男の
行き着いた先は薄暗い部屋、そして他数人の人影…
そこは「フェーズ2“教化”」の行われる部屋でここから本題の
マインド・コントロールが始まり人間兵器完成へ向けての仕込みが
行われるわけですか…映画はここで終わりを迎えますが
自殺しようと拳銃を口に加えた若い男の意志が、他人を思った故の行為
でも自分を思った故の行為でも、この第2ステージでその行為の理由も
露にされ残るか殺されるかが判りそう。どちらにせよ待つのは自らの
意志など反影を許されない無残な姿なのでしょうね。死のうとしたのに
生かされた皮肉と死ぬ為だけに生かされる困惑を抱えた心理状態に加え、
その先どんな実験が待ち受け、どう人間兵器として完成に至り、
どんな使われ方をするのか。………想像も出来ない恐ろしさ。
でも映画として結末は知りたいかも…。
はじめに記した「みんなゾンビみたいになっちゃたりしてな」。
見終えてみてこう言ったニュアンスも当ブログ的にはなるほどと
一例として番外的にゾンビ的観点からも括ってみましょうか。
ゾンビはヴードゥの儀式に於いては自らの意志と社会的存在を奪われ
操られた存在と示す事がありますよね。ロボトミー手術や洗脳に
そう言ったニュアンスは多く観られますが、この本作は当ブログ的には
「新たなゾンビの作り方」を示されている様で興味深く観られました。
観た感じサスペンス感もホラー感も淡々とた印象で、
あっさり見終えましたが、その実、全て事務的な処理と思うと
かなり気味悪くなって来ました。熱を帯びさせない演出効果なら
まんまと術中に嵌っていますね(笑)
この不気味さは支持したい、なかなかの秀作と観た。
>衛星より受信
断絶袋小路13回目はエレベーターに閉じ込められた男2人、女1人の
3人が繰り広げる脱出劇サスペンス「パニック・エレベーター」を
取りあげてみます。その3人の回想シーンが要所要所で挿入され、
彼らの目的が明らかにされて行くにつれ、単なる閉じ込められた
状況下で繰り広げられる追いつめられた人間同士の小競り合い
サスペンスに終わらない、残酷な作品に仕上がっている印象でした。
老朽化激しいアパートは改修工事の為か
人々が次々と追い出され住人は殆どいない。
そんな中、たまたま一台のエレベーターに乗り合わせた3人は、
それぞれある目的の為に急いで用事を済ませなければならない
理由があったのだが、運悪くエレベーターが故障、
無情にも時間だけが過ぎ、次第に精神状態がおかしくなって行き…。
敬遠されそうな安易なタイトルに、作品の評価も芳しくないのですが
沢山の方に観て頂いて様々な意見が出た方が面白くなる作品だと
思いますので興味を持たれた方はご覧になってみて感想を述べて
あげて下さい。サスペンスあるいはホラーとして面白く感じる方は
結構いらっしゃるのではないでしょうか。
☆以下、内容に触れています。
(興味のある方は作品をご覧になってから読んでみて下さい。)
尋ねてくる大事な娘の為にぬいぐるみを用意し部屋を整頓したい男、
彼女の横暴な父親を殴り倒し2人で逃避行を決意し旅支度をしたい男、
入院した祖母が写真が見たいと言うので部屋に取りに戻った女…
3人それぞれは一刻も早く事を済ませ、目的を果たさなければ
ならなかったのだが、たまたま一台のエレベーターに乗り込んだ
この3人は運悪くエレベーターの故障により中に閉じ込められてしまう。
幼い愛娘との大切なひと時を良きものと過ごさせたい為に、
現実から逃げながらも彼女との希望に溢れた未来の生活の為に、
死期の迫る祖母が望んだ思い出の写真を見せたいが為に…
望みを担ったそれぞれの目的が時間経過と共に
果たされなくなって行く悲惨な現状。
娘に見られたくないモノが男の部屋に…
彼女は一緒に逃げる筈の男に裏切られたと思い…
危篤状態の祖母は過ぎ行く時間に死期が近づいて来ている…
エレベーターに閉じ込められたせいで裏切り者となってしまう
理不尽な環境とそれぞれに与えてしまった絶望はとてつもなく
恐ろしい。自分も相手も関係者全員が最悪の思いをする。
この後味の悪さは脚本としても巧いのではないでしょうか。
閉じ込められた遮断に思い叶わずで断絶ぶりも相当シビア。
それだけでもとんでもなく悲惨な状況なのに
エレベーターに閉じ込められた中で殺人鬼が現われ
命の危険にさらされると言う恐怖のおまけ(?)が付いて来る!!
娘に殺人鬼だと知られてしまう死んで行った男…
彼女に会えず裏切り者と思ったまま殺されてしまった男…
自らも惨劇に見舞われ祖母の臨終にも間に合わなかった女…
殺人鬼の都合は置いておくとしても
残された娘の受けるであろうダメージに、希望ある未来を男と共に
奪われた彼女、孫の到着を信じながら思いをとげられなかった祖母、
エレベーターからからくも脱出し思わず殺人鬼を始末して間接的にでも
人殺しとなってしまった女まで、残された者まで悲惨な現実を受け入れ
ざるを得ない、最後の最後まで徹底した救いのなさを感じさせる作品も
そう観ない。
この心理的に陥れられる様々な絶望感には感服。
私にはかなり恐ろしい作品でした。
いい評価もぼちぼちは聞けますが、
個人的にはなかなかの秀作としたい。